突然ですが、このブログを読んでくださっている皆さんは、
子供の時「読書感想文」を書くのは得意でしたか?
私は吐き気がするほど嫌いでした。笑
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本を読むのは割と好きだったのですが、
読書感想文に対しては苦手意識が強く、
夏休みの宿題の中では最も憂鬱なものでした。
今となってはその「理由」がはっきりしています。
日本の多くの学校では「論理」を教わらない
私の大学では、英語の論文を書くための授業があり、
1年間かけて、じっくり英語の論文の「書き方」を学びました。
よく考えると、これってすごく貴重なことなのです。
論文やレポートって、授業の課題として
「書いてきなさい」
と言われることはあっても、
その「書き方」を教わることは、日本の学校では
小学校から大学を通して、ほぼないのです。
思い返してみてください、このブログを読んでくださっている皆さんは、
「読書感想文の書き方」
をきちんと学校で教わったことはありますか?
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小学校中学年くらいになって、いきなり
「本を読んで感想を書いてきてください」
と言われた程度ではないですか?
強いて言えば、
「本の粗筋ばかりにならないようにしましょう」
と言われたくらいで。
書き方も教わっていないのに、書けるわけなんてなかったのです!
これが、私が読書感想文を嫌いだった理由。
(人のせいにしているだけの気もしますが笑)
「書き方」なんて教わらなくても、思ったことを書けばいいんじゃないの?
と思う方も多くいらっしゃると思いますが、
相手を説得させるには、
大多数の人が「なるほど」と思ってくれるほどの
できる限り欠陥のない「論理力」が必要です。
でもその「論理」を日本で教えてもらえる機会はなかなかありません。
むしろ、「論理って何?」というところからですよね。
「受け手」依存の日本文化
『英語を味方に夢を叶える人』勉強会でもいつも皆様にお話ししていますが、
日本人の文化では、聞き手が話し手の気持ちを「察する」
ことが美徳とされています。
平安時代以前から栄えている日本の和歌には、
5・7・5・7・7の31文字にいくつもの意味が含まれます。
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例えば、在原業平の百人一首の歌に
『から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ』
というのがあります。
この歌の中の
『なれ』には『着慣れる』と『馴れ親しむ』の意味があり、
『つま』には『褄(衣の裾)』と『妻』の意味があり、
『はるばる』には 着物を『張る』と『遥々』の意味があり、
『きぬる』には『着る』と『来る』の意味があるというのです。
さらにこの句、5・7・5・7・7のそれぞれの最初の1文字をとると
『か き つ は た(かきつばた)』になるんですよね!
・・・これだけ言葉を巧みに操れる在原業平さん、
絶対にモテたやろうな・・・笑
現代の私たちが読むと感心しますよね!
これは、海外にはない、日本人と日本語の文化の素晴らしさだと思っていますし、
後世にも伝えていってほしいです。ですが、
この短い31文字から、これだけ多くの意味を読み取れるかどうかは
読み手次第。
読み手に解釈を任せる、というのは、
現代のグローバル社会では、
相手に『言わなくてもわかってよ!』という『甘え』になってしまいます。
武器のない時代、
これからの世界で生きて行く子供達には、
言葉で相手と闘い納得してもらう力、
つまり「論理力」が必要なのです。
そして、アメリカやイギリスなどの英語圏の国々では、
「論理」や「文章の書き方」が徹底的に教えられています。
グローバル社会を生きるということは、
その人たちと、私たち日本人も同じ舞台に立つということです。
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論理とは?
これは私の持論なので賛否両論ありそうですが、
既にそこらへんで書かれていることをここに書いても仕方ないので、
私が思っていることと、
大学入試対策授業で「論理力」を養うために行っていることを
ご紹介させていただきます。
論理とは、想像力です。
ん?むしろ逆じゃない?と思った方のほうが多いですよね。
論理と想像なんて、逆のイメージ。
ですが、論理というのは、
自分が思うことを相手に話した際、
あらゆる立場の相手から来るである反対意見を「想像」し、
その反対意見をあらかじめ見越して、
その人達も説得させるための方法を考え、文章にするのです。
例えば、
「福井県立恐竜博物館」の魅力を語ろうと思った時、
・都会から交通機関を乗り継いで来る人に、「アクセスが悪いでしょ?」と言われたら?
・福井に住んでいる人で、何回も来たことがある人に、「もう飽きた」と言われたら?
・シニアの方に「子供向けの施設でしょ?」と言われたら?
などなど、様々な反論をあらかじめ予測しておいて、
アクセスの悪さを相殺するメリット、何度でも来たくなる視点、大人でも楽しめる魅力
などを書いていくのです。
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あらゆる世代、職業、立場などに立って考えるという
「想像力」が、論理力には欠かせないと思っています。
そしてこの「想像力」が、AIにはない力なのです。
大学入試の自由英作文対策
多くの大学の入試で出題される「自由英作文」。
短いところで50字程度、長いところで250字程度の英作文を書くことになります。
「譲歩」「対比」など、専門的な技巧はゆっくり教えていくのですが、
最近私が授業でしているのが、『他人の英作文の添削』です。
同じクラスの子のものではなく、5年以上前の私の生徒が書いてくれた
英作文のアウトラインに点数をつけてもらい、
どうしたら良くなるか考えてもらいます。
この訓練をすると、自分が書く立場になった時も、相手から来る反論を予想し、自分の主張を客観的に見ることができるようになると考えています。
例えば。
9年前くらいの生徒さんが、
「友人に1冊本を薦めるとしたら、どの本を薦めますか。理由も含めて説明しなさい」
というお題に対して、下書きとして1番最初に作ったアウトラインは、
以下のようになっていました。
薦める本:「ハリーポッターシリーズ」
理由①幅広い世代に人気がある。
理由②映画化もされている。
理由③世界中で人気がある。
これに対して、みんなが「50点」「30点」「20点」・・・と点数をつけていきます。
「お〜なかなか辛辣だね〜!笑」なんて言いながら、理由を聞いてみると、
「なぜ人気があるのか書かないと、理由にならない」
「映画化されたからといって、面白いとは限らない。むしろなぜ映画化されたのか書くべき」
などなど。
ごもっとも!の一言。
でも、ただ否定するだけなら誰にでもできること。
自分の周りに、ただ自分の意見を否定してくるだけの人がいたら、
絶対友達にはなりたくないですよね。笑
否定するのではなく、「もっとこうすれば良くなる」とアドバイスしてあげる。
相手を傷つけずに説得させるのも、
想像力であり、論理力です。
なぜ幅広い世代に人気があるのか、なぜ映画化されるほど面白いのか、
そこを説明するのも一つの手ですが、
逆に、
「幅広い世代の人に人気があって、映画化されていて、
世界中で人気のある本を読むと、どんなメリットがあると思う?」
という視点を与えてみました。
そういう、老若男女世界各国に人気のある本を読んでおくと、
留学したり海外の方を迎え入れた時に、
話が弾みますよね!
という結論を与えれば、すべてがストンとまとまります。
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粗探しは誰にでもできます。
そこから相手の良さを守りつつ、どう良くしていくか。
これって、日常でも必要なことだと思いませんか?
政治家の討論なんか見ているといつも思いますよね、
小学生の悪口大会かよ!みたいな笑
日本を、世界をもっと良くしたい、
結論はそれだけなんですけどね。
あんな人たちのために多額の税金を払っていると思うとぞっとしますが・・・
そんな世の中を変えていってくれるのも、
私たちの、希望である子供達。
そしてその子供達を育てるのが、私たち。
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論理を磨くためにお家でできること、
という話も、また『英語を味方に夢を叶える人』勉強会で
お話させていただきますね!
本日もブログにお越し下さり、ありがとうございました!